記号計算の高速化と産業課題解決への応用2

整理番号 2024a008
種別 若手・学生研究-短期共同研究
研究計画題目 記号計算の高速化と産業課題解決への応用2
研究代表者 石原 侑樹(日本大学理工学部数学科・助教)
研究実施期間 2024年11月11日(月)~ 2024年11月15日(金)
研究分野のキーワード 記号計算(計算代数、数式処理)、グレブナー基底、限量子消去、数理最適化、実代数幾何学、準素イデアル分解、数値数式融合計算、非線形制御理論、機械学習、代数統計
目的と期待される成果  記号計算(Symbolic Computation)は数式等を記号的に計算する手法であり、数学的構造を分析する上で強力な手法の1つである。しかしその反面、数値計算に比べ計算コストが大きく、グレブナー基底や限量子消去のアルゴリズムなど指数的な計算量を持つものも多い。本研究では2023年度の共同利用研究「記号計算の高速化と産業課題解決の応用」の継続研究として、様々な分野における従来の記号計算の手法を改良し、種々の産業課題の解決に応用することを目指す。
 2023年度の共同利用研究においては、計算機代数、暗号理論、統計学、最適化理論、機械学習、制御理論など様々な分野の専門家が参加し、多角的な視点からの新たな課題やその解決手法について議論を行った。例えば、記号計算を機械学習モデルで学習するためには大量の記号計算問題とその解の組が必要であるが、素朴な計算では膨大な時間を要する。そこで、いかに効率的にそれらを生成するかという新しい課題の発見に至った。これは記号計算の世界だけでは着想の難しい点であり、異分野の専門家による共同研究の成果といえる。この他にも、制御理論への応用について湯野氏を中心に議論することで、記号計算が利用できる実用上の制御問題の現状を確認した。また、岩根氏が開発した限量子消去計算のためのソフトウェア"GaNRAC"の利用方法を組織委員で共有することで、産業課題への活用に向けた研究も行った。
 2024年度では、引き続き分野の垣根を超えた研究を行うことでブレイクスルーに繋げることが目的の1つである。本研究で期待される成果は主に以下の2つである。
①機械学習等を用いた新しい記号計算のアルゴリズムの開発
②具体的な産業課題における記号計算アルゴリズムの活用
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
石原 侑樹(日本大学理工学部数学科・助教)
深作 亮也(九州大学大学院数理学研究院・助教)
池松 泰彦(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所・助教)
神戸 祐太(三菱電機株式会社・リサーチアソシエイト)
岩根 秀直(リーディング・スキル・テスト株式会社・会社員)
伊藤 勝(日本大学理工学部・助教)
小林 宗広(株式会社シルフ・インスティテュート・会社役員)
湯野 剛史(九州大学大学院システム情報科学研究院・助教)
計良 宥志(千葉大学大学院情報学研究院・助教)
庵 智幸(大阪大学大学院情報科学研究科・助教)
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