幾何学的離散力学の産業への応用に向けた数理科学の基礎

整理番号 2022a028
種別 一般研究-短期共同研究
研究計画題目 幾何学的離散力学の産業への応用に向けた数理科学の基礎
研究代表者 黒田 紘敏(北海道大学・大学院理学研究院・数学部門・准教授)
研究実施期間 2022年8月22日(月)~ 2022年8月26日(金)
研究分野のキーワード 幾何学的離散力学, 有限要素外積, 構造保存型数値解法, 数値解析
目的と期待される成果 有限要素外積解析は, 2006年頃に Aronold–Falk–Winther らが中心となって提案した, ある種の楕円型方程式に対して適合的かつ安定な混合型有限要素スキームを作成し, その誤差評価を与えるための統一的な枠組みである.

近年, 物理現象の数理モデルや偏微分方程式の数値解法に微分形式を取り入れる試みが盛んに行われている. これは, ``流れ'' を微分形式を用いて flow (1形式) とflux (2形式) を区別して取扱うことで, 空間と物理量の関係がより明らかになり, また実際に我々が観測可能な測定器を通した観測結果 (fluxに相当) を数理モデルの中で扱う際の道具にもなる.

この考え方は工学的にも取り入れられ, 優れた数値解法が開発されている. 分野によってばらつきはあるものの, 離散外微分解析, 離散微分幾何学, 差分形式, ベクトル差分解析など, 適用される分野に応じて様々な名前で呼ばれている.

本短期共同研究では, これらの一つとして有限要素外積を取り上げ, まず関連する業績のある谷口准教授を講師に招き, その数学的基礎の浸透を図る. 続いて, 例えば, 参加者の一人である田上准教授が取り組んでいる電磁場問題の数値計算などを主題に, 有限要素外積を利用して微分方程式が持つ構造を離散化しても保存できる数値計算手法の開発に取り組む. これにより近年, 注目を集めている, 有限要素外積に基づく時間発展を伴う電磁場問題の数値計算手法の提案や, その産業応用による計算機援用証明の発展などが期待できる.

さらに有限要素外積の数学的基礎を浸透させることで, コンピュータグラフィックスや様々な膜構造を持つ構造物の数値計算への適用など, 新しい分野への適用可能性についても検討する.
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
谷口 隆晴(神戸大学・大学院システム情報学研究科・准教授)
正宗 淳 (北海道大学・大学院理学研究院・教授)
黒田 紘敏 (北海道大学・大学院理学研究院・准教授)
長谷部 高広(北海道大学・大学院理学研究院・准教授)
寺本 央 (関西大学・システム理工学部・准教授)
田上 大助(九州大学・マス・フォア・インダストリ研究所・准教授)
原 宇信 (北海道大学・大学院理学研究院・ポスドク研究員)
陳 鈺涵 (神戸大学・大学院システム情報学研究科・D1)
寺川 峻平 (神戸大学・大学院システム情報学研究科・M2)
徐 百歌 (神戸大学・大学院システム情報学研究科・M1)
宮下 大(東京大学・SRJ)
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