機械学習への組合せ論的アプローチ
整理番号 | 2022a026 |
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種別 | 女性研究者活躍支援研究-短期共同研究 |
研究計画題目 | 機械学習への組合せ論的アプローチ |
研究代表者 | 顧 玉杰(九州大学 システム情報科学研究院・助教) |
研究実施期間 |
2022年9月20日(火)~ 2022年9月22日(木) |
研究分野のキーワード | 機械学習, 統計科学, 組合せ論, グラフ理論, 情報科学 |
目的と期待される成果 | 組合せ論とグラフ理論的な手法は数学だけでなく統計科学や計算機科学などの様々な分野で発展してきている. 例えば, 統計的実験計画法におけるFisherの3原則(局所管理、無作為化、反復)の3つの条件を満たす実験は, 組合せデザインやグラフなどの確定的な組合せ構造から実験の計画作ることができ, 効率的で推定精度が高い実験データを取得できる. 一方, 機械学習では過学習を防ぐためランダムなスパース化が行われているが, Fisherの3原則は機械学習においてもスパース化したニューラルネットワークの設計に有効である. そして対応する訓練データの残存効果をできるだけ抑え独立性を高める順序化においても重要と思われる. また組み合わせ構造の導入により, 計算コストの削減や予測・学習の精度の保証などの利点が期待される. しかし, 国内外でも組合せ論と機械学習の共同研究は個別のグループで始まったばかりの段階であり, さらなる発展のためには組織的かつ産業界と連携した共同研究が求められる. 本研究は以下の2点を目的とする. (1) 様々な組合せ構造の構成事例からニューラルネットワークを設計し, 実際に訓練データの独立性を高める順序化を行う. そしてパフォーマンスの優れた事例に着目し, ニューラルネットワークの組合せ論的な性質を定式化する. 有限体の理論や, グラフ彩色などの代数的・グラフ理論的手法を用いて, ニューラルネットワークの理論的な構成手法を与え, その性質を分析する. (2) (1)で定式化した組合せ論的性質をもつニューラルネットワークを実装し, 数学・産業界からの参加者と共同で議論することで, 産業界での実応用を探す. 本研究から, まず組合せ論と機械学習の間での新しい研究交流の機会が与えられる. 次に実応用に求められるニューラルネットワークモデルの組合せ論的アプローチを与え, 産業界の実際技術への応用を期待できる. |
組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
河原 吉伸(九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 / 理学部 ・教授) 熊澤 努(株式会社SRA DX技術本部 先端技術研究所・研究員) 顧 玉杰(九州大学 システム情報科学研究院・助教) 澤 正憲(神戸大学 大学院システム情報学研究科 ・准教授) 藤原 良叔(筑波大学 システム情報系・教授) 繆 瑩(筑波大学 システム情報系・教授) 盧 暁南(山梨大学 総合研究部 工学域電気電子情報工学系・助教) |