量子コンピューティングにおける数学的課題の探索と量子人材育成

整理番号 2022a004
種別 一般研究-短期共同研究
研究計画題目 量子コンピューティングにおける数学的課題の探索と量子人材育成
研究代表者 米澤 康好(Quantinuum K.K.・量子ソフトウェア アウトリーチ オフィサー)
研究実施期間 2022年8月22日(月)~ 2022年8月26日(金)
研究分野のキーワード 量子コンピューティング、qudit、qumode、量子誤り訂正
本研究で得られた成果の概要 本研究では、量子コンピューティングの現状を踏まえ、以下の二つを目的として活動した。

目的1:量子コンピューティングにおける数学的問題の探索(8月22日、23日、非公開)
参加者:落合啓之、川辺治之、米澤康好

実施内容:量子誤り訂正技術の実装が量子優位性の実現のカギとなる重要な課題のひとつであることから、量子誤り訂正について議論した。

成果:量子誤り訂正の先行研究に記載されている曖昧な表現を数学的に再構成・理解することに取り組み、代数的な記述や表現論的な解釈において解明できた。一方で、未だに理解できていない部分もあり、これについては今後の課題である。

目的2:量子人材育成(8月24日、25日、26日、公開)
参加登録者数:69名

実施内容:量子コンピュータは、開発の進展だけでなく、この新しいシステムにアクセスし易くなってきた。 今後、量子コンピュータで扱える量子ビットの数は増え続け、社会課題の解決に役立つことが期待されている。こうした理由から量子人材育成に今から取り組むことが重要であり、量子コンピューティングのトレーニングを学生、研究者向けに三日間の日程で開催した。
・1日目
内容:量子コンピュータ概要(Quantinuum米澤康好)、Amazon Braketを使った量子コンピューティング実習(AWS 宇都宮聖子、針原佳貴、田原慎也)
・2日目
内容:Quantinuum量子SDK tketを用いた量子コンピューティングの講演(Quantinuum米澤康好、BIPROGY株式会社 川辺治之)
・3日目
内容:Amazon SageMaker Studioを利用したtketの量子プログラミング演習(Quantinuum米澤康好)

成果:参加登録者数は69名。
受講者のトレーニングについてのアンケート結果の一部
1.聴講後の量子コンピュータについて
QC(アニーリング)をより深く知りたい:はい27名、いいえ5名
QC(アニーリング)を研究してみたい:はい14名、いいえ18名
QC(ゲート)をより深く知りたい:はい29名、いいえ3名
QC(ゲート)を研究してみたい:はい23名、いいえ9名
2.受講後のtketについて
tketをより深く知りたい:はい22名、いいえ4名
tketを研究で利用したい:はい21名、いいえ5名
3.「tketを用いた量子コンピューティング演習」についての満足度
満足7名、普通1名、不満1名
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
米澤 康好(Quantinuum K.K.・量子ソフトウェア アウトリーチ オフィサー)
落合 啓之(九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所・教授)
村上 順(早稲田大学 理工学術院・教授)